【第14】皆既月食は?
全国どこからでも見られただろうか?
太郎くん次郎くんはどうだったか?
20時過ぎの時間帯は雲に覆われていて残念ながら実物を鑑賞することは
かなわなかった。
次郎くん:「曇ってるね。家からは見えないけれど、外に出たら見えるかもしれない」
母:「あの方角から月が見えるはずだけど、もしからしたまだ低い位置で家からは見えないのかもね。」
外に出て次郎くんと月を探すことにした。
母の予想では雲で見えない。さっさと帰って塾の復習をしてもらうつもりだった。
太郎くんは、塾から帰ってきて一緒に晩御飯を食べていたのだが
食べるのが遅く、まだ食べていた。
太郎くん:「食べ終わったらすぐ行くから」
母:「今、一緒に行こうよ」どうせすぐ帰ってくるから・・と言う思いだが。
太郎くん:「食べ終わらないと行かない」
太郎くんは真面目のまじめすぎる所がある。適当が苦手なのだ。
性格の違いから、母は太郎くんとはケンカになることがある。
ここで、「いいから早く行こうよー」なんて言ったら、後が厄介なのだ。
母は大人になり、「食べ終わったら来てね」と言う。
太郎くん:「分かったよー。頑張って早く食べるね」上機嫌だ。
セーフ。
次郎くんと2人で皆既月食を見るために外に出た。
自宅外からでもやはり見えない。
次郎くん:「もっと遠くに行こうよー見えるかもしれない」
と言い歩きだした。
すると
歩道橋の上から、沢山の家族が月を探しているのが見えた。
次郎くん:「月が見えているのかな?」と走り出した。
しかし、雲に覆われた夜空には何も見えなかった。
次郎くん:「ダメだね。残念だけど仕方ないね」と諦めて自宅へ向かい戻り始めていた
その時
太郎くん:「お待たせ~。アレ?皆既月食どうだった?見られなかったんだ。塾の帰り の時から曇ってたよね。いい考えがあるよ」と。
自宅へ戻りタブレットから何か検索し始めた。
太郎くん「見て。宮城県の気仙沼で皆既月食の実況中継しているよ」
次郎くん「わぁー見えてる。きれいー。」
画面越しではあるが見えた。
父さんが帰って来た。
次郎くん:「おかえり~皆既月食は、雲で見られなかったよ」
父さん:「今、帰ってくる途中に月は見えたよ」
皆で「えっ?!」
夜10時30分過ぎみんなで、再度外を見上げると
空高くに小さくなった満月が見えた。
小さな家族の思い出が出来た夜だった。
しかし
塾の復習、宿題はまだ終わらない・・・
明日も学校と塾だ。
いつ寝られるのだろうか?